2021年02月28日
故・寺井宣子さんを偲びながら…
2年前(2019年)の今日、ドキュメンタリー映画『かけはし』第1章にご出演くださった寺井宣子さんがご逝去されました。本日2月28日(日)20時より、故・寺井宣子さんを偲びながら、ドキュメンタリー映画『かけはし』オンライン追悼上映会が開催されます。
20年前にJR新大久保駅に転落した方を救おうとして共に帰らぬ人となった故・イ スヒョン(李秀賢)さんの通っていた赤門会日本語学校の新井時賛理事長と、金谷さん、そして「かけはし」プロデューサーを共に務めてくれた音楽監督の伊藤茂利さんと共に、今朝お墓参りに伺わせていただき、先程オフィスに戻って参りました。
寺井宣子さんは、スヒョンさんの英語名の頭文字をとって名付けられた特定非営利活動法人LSHアジア奨学会の前事務局長として、スヒョンさんのご両親を支えながら、日本に夢を抱いてやって来るアジアからの留学生の支援活動を最後まで続けておられました。
映画の中で、寺井さんが、1000人の留学生に奨学金を渡すまでは何としても続けていきたいと涙ながらに語られている場面を思い起こすたび、涙があふれます。
寺井さんが見守ってくださったからこそ、この映画「かけはし」が完成しました。
寺井さんは、映画界の人間ではない私が、初めて企画・プロデュースした前作の映画『アオギリにたくして』の時からずっと応援してくださり、作品づくりの中で訪れる生みの苦しみに悩むことも多かった中、「どんな事があろうとも、自分がちゃんと納得するものをつくることが何より一番大事だよ」とお手紙をくださり、いつも力強く励ましてくださいました。
2作品ともいろいろ迷いながらではありましたが、一度作り終えた後にもう一度つくり直す決意をしながら……寺井さんのお言葉を何度も思い出し勇気づけられながら、最後まであきらめずに完成することができました。
もちろん、もっとこうすればよかった…と、作品をつくるたび、まだまだ足りない自分を感じながら反省すべきことは多々あります。しかし、その作品の根底に流れるものに対する思いへの責任だけは、どんなことがあっても譲ることなく、映画づくりをしてきました。そして、だからこそ、映画が完成した後に、どんなことがあっても命ある限り上映活動を続けるエネルギーが沸き起こるのだと思います。
寺井宣子さんのしなやかで深い優しさを、いつまでも忘れません。
本日の上映後には、寺井宣子さんのお嬢様で、作家としてご活躍されている寺井暁子さんにもご出演いただきお話しいただく予定です。旦那様の寺井裕さんもご参加してくださいます。また、韓国からスヒョンさんお母様のシン ユンチャンさん、赤門会日本語学校の新井時賛さんにもご出演いただきなががら、本日の上映会にご参加くださる皆様と共に感想や思いをシェアしていきたいと思っております。
2/28「かけはし」上映会
▶︎ https://musecinema-3.peatix.com/
寺井宣子さんに心より深く感謝しながら、
改めてご冥福を心よりお祈り申し上げます。