
私は映画人ではないし、なろうとも思わない。ただ自分が生きてきた人生の中で、体験しながら、実感しながら、感じ続けながら、何年もの年月を経てもなお、自分の心の中にずっと生き続け、自身に強くメッセージを発し続けてくる何かが、時には歌を、時には言葉を、時には文字を、時には映画をつくることで、それが何だったのかを知っていく。それが自分にとっての作品づくりなのかもしれない。
弊社ミューズの里にとっても、私にとっても、初プロデュース作品だった『アオギリにたくして』と第2作目の『かけはし』は、伝えたい思いが勝手に体を動かし、やったことのない映画製作へのチャレンジとなった。
小さな会社の映画づくりは過酷だ。
しかし、かなりの覚悟がないと出来ないチャレンジは、究極なものをいろいろと見せてくれる。
だかこそ、本当につくりたいもの以外はつくらないと心に決めている。
そして、映画にチャレンジして本当によかったと思っている。
なぜなら、本当のことがより一層見えるようになったから。
たとえそれが、過酷なことであろうとも。