昨年6月に行われた映画『アオギリにたくして』アメリカ上映行脚で渡米した際に、ニューヨーク到着後、上映に向かう前に、ブルックリンのキャサリン・サリバンさんのご自宅に宿泊させていただきました。
国連での活動やドキュメンタリー映画製作もされているキャサリン・サリバンさんがニューヨークの高校で課外授業している様子を撮影した「サリバン先生の平和教室」は、2006年に日本でもテレビ放映されました。その中でキャサリンさんは、「家族、友人、音楽、草の香りなど、愛するものが、原爆で一瞬のうちに失われてしまうのは耐えられないから平和教育を続けています。恐怖ではなく、『愛』が平和教育の原動力です」と語っています。
お互いの製作した映画を見る時間もないままの慌ただしい中ではありましたが、とっても楽しくハッピーな時間をキャサリンさん宅で一緒に過ごさせていただき、翌日アメリカ上映に向けて出発した日が懐かしく思い出されます。
今年、核兵器の保有や使用を初めて法的に禁じた「核兵器禁止条約」が国連本部で採択されました。
「核兵器はこれまでずっと道義に反するものでした。そして今や法律にも反するのです。一緒に前へ進み、世界を変えましょう」。カナダ在住の85歳となる被爆者、サーロー・節子さんの言葉が会場に響くと、各国代表らが総立ちし、大きな拍手を送るシーンが何度もテレビで放映されていましたが、そのサーローさんの横でずっと寄り添っておられたキャサリンさんの姿により一層胸が熱くなりました。
筑波大学の「記憶の継承と言語」研究プロジェクトの一環として取り組まれている「若者に被爆体験を語り継ぐ」プロジェクトで、筑波大学・横浜国立大学・京都外国語大学などの教員有志をはじめ、高校教師、大学生などで組織する国際的な市民団体「被爆者証言の世界化ネットワーク(略称NET-GTAS)」の活動を通じてつながるメンバーの皆さんが呼びかけています。(後援:横浜国立大学、京都外国語大学、毎日新聞社)「サリバンさんは平和活動家の仲間たちとともに、各国代表らへの働きかけに奔走するなど「核兵器禁止条約」の採択実現に大きく貢献し、何人もの外交官が「被爆者の話に心を揺さぶられた」と振り返りました。被爆者の証言が世界を動かしたのです。北朝鮮の核の脅威が高まる中、サリバンさんの豊富な経験と熱意に学び、被爆体験の大切さを問い直したい。」
※キャサリン・サリバンとはどんな人?
世界的な平和教育家、活動家。米国・コロラド州立大学卒、英国・ランカスター大学で博士号を取得。国連軍縮コーディネーターなどを経て、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(通称・ICAN)メンバーとして活躍。核廃絶運動に約30年に渡り関わる。NGO「Hibakusha Stories」プログラム・ディレクターとして、2008年から2015年までの8年間、広島、長崎の被爆者たちを米国に招き、ニューヨークの高校など数百校で、高校生ら延べ3万人余に「被爆体験」を聞かせる証言活動を展開した。今年7月、「核兵器禁止条約」の国連採択にあたり、各国代表らへの働きかけに尽力した。卓抜した行動力と交渉力で知られ、近年は原爆投下を決断したトルーマン大統領の孫、クリフトン・ダニエルさんと一緒に核廃絶運動を展開することもある。その熱意と明るい人柄で、広島、長崎の被爆者にも友人が数多い。ニューヨーク在住。50歳。
詳細は、下記のクラウドファウンディングへ
◉若者に原爆の悲劇を語り継ぐアメリカ人女性を日本に招きたい!
➡︎ https://readyfor.jp/projects/13529
皆様のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます〜!
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