トランプ次期大統領は、「不名誉な記憶として残る75年前に、真珠湾で犠牲となった米国人の英雄に思いをはせる」「米国の敵は75年間で変わったが、平和の追求には、勝利に代わるものはない」と述べ、安倍首相の真珠湾訪問や日米同盟については言及しなかったという。
アメリカの大統領が広島を訪れ、日本の総理大臣がパールハーバーを訪れることには大変意義があり、もっと早くなされるべきことだったかもしれないとさえ思う。
しかし、一方でパールハーバーと広島・長崎への原爆投下を対にして考えることで、原爆投下そのものが肯定化されていく危うさに繋がっていかないことを心から祈る。
そして、心から思う。
Never again Pearl Harbor!
Never again Hiroshima!
Never again Nagasaki!
Never again war!
戦争当日のアメリカの日本への憎しみに満ちた報道映像を見た時の印象が、今のアメリカが敵対視する国々に対しての向けられる憎悪のエネルギーと同じように感じられ、なんとも言えない気持ちになる時がある。日本も同じく、最大の敵国だったアメリカにかつて抱いていたのと同じような憎悪の矛先を、今後その他の国に向かわせることのないようにと強く願う。憎悪を煽り、憎しみの連鎖が続き、争いの火種を生み出してしまう事のないように…。
共通の敵を作り出すことで、一致団結しているかのように思えても、本当の信頼関係など築けていない場合は人間社会の中でも多い。
「米国の敵は75年間で変わったが、平和の追求には、勝利に代わるものはない」というトランプ次期大統領の勝てば官軍的な考え方だけでは、これからの国際社会の平和を築くことは難しく、テロを拡大させていく可能性さえある。
それぞれの国の事情は異なる。単純に、アメリカと日本とのこれまでの関係を参考に、敵国としている国へのあり方を考えるなら、見誤ることが多々あるだろう。
キノコ雲の下にいたヒロシマ・ナガサキの被爆者の方々が、その後どんな思いで生きてきたのかを、世界はあまりに知らなすぎる。
世界の平和を願い「二度と再び自分と同じ苦しみを世界中の誰にもさせたくない」と祈る被爆者のメッセージに込められた深い思いを、我々は本当に理解できているのだろうか。
二度と戦争を起こさないために、私たちはどうすべきなのか?
二度とヒロシマ・ナガサキを繰り返さないために、私たちはどうすべきなのか?
小さな自分に出来る事はなんだろう?

より心豊かで、命の尊厳を大切にできる社会へと世界が成熟していくために…。
【関連する記事】
- 折り鶴にたくされた思いを 留学先のニューヨークの学校で伝えた 宮崎県の高校2年生..
- 11/20被爆アオギリ2世の植樹されている神戸市外国語大学にて、長谷川邦彦さん講..
- 若者に原爆の悲劇を語り継ぐキャサリン・サリバンさんを日本に招くプロジェクト!
- 長崎の被爆者 谷口稜曄さんのご冥福を心よりお祈り申しあげます。
- ヒロシマ・ナガサキの被爆者の存在が核兵器禁止条約の採択を後押し!
- ネバー・アゲイン・キャンペーン創始者のドナルド・レイスロップ教授からのメッセージ..
- 伊藤直子さん、池田眞規先生からいただいた たくさんの想いを胸に…
- 日本山妙法寺の純さんと日本で再会〜!
- 30年ぶりの映画『ホピの予言』
- YouTube ピート・シーガーがバンジョーを弾きながら歌う「原爆を許すまじ」」..
- 「被爆者という人間はいない」
- 小西悟先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
- 3・11から4年…
- 「憎しみではなく、愛の連鎖を生み出せる人になってね」お世話になったヒロシマ・ナガ..
- 沖縄県平和祈念資料館〜平和の心を世界へ〜
- 中沢啓治ウィーク「はだしのゲンが見たヒロシマ」「お好み八ちゃん」
- 山口仙二さん逝去
- 沼田鈴子さんの命日に…。
- 広島の被爆者・山岡ミチコさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
- 自然と共にあった福島県飯舘村での暮らし〜原発事故が奪ったもの〜