「アオギリにたくして」上映をしてくださった島根県の雲南市立飯石小学校の閉校式が、3月20日に行われました。
飯石小学校は、長崎で被爆しながらも負傷者の救護に尽くされ、愛と平和を訴え続けた永井隆博士の母校です。児童数の減少から3月20日に閉校式が行われ、142年の歴史に幕を下ろすことになりました。
閉校式までの様子を撮影させていただき、閉校式の第3部の感謝交流会では、「アオギリたくして」上映をしてくださった皆様に感謝しながら主題歌を歌わせて頂きました。
飯石小学校との出会いは昨年秋のこと。閉校前に「アオギリにたくして」の上映を実現したいと飯石交流センター「雲見の里いいし」事務局長の錦織斉子さんから熱いメールをいただいたことから始まりました。昨年10月に伺わせていただき、子供たちと地域の方々からたくさんの感動をいただきました。
飯石小学校では1年生から6年生までの全学年で平和学習に取り組み、平和教育を基礎とした教育活動が行われてきました。こんなステキな学校が日本にあることを知り誇りに感じるとても素晴らしい小学校でした。
16日の朝一番から中村柊斗監督とプロデューサーで音楽監督の伊藤茂利と共に撮影に入り、20日の閉校式まで取材させていただきました。
閉校式には、飯石小学校を卒業された皆様もたくさん参加されていました。何人かの方々にインタビューさせていただきましたが、自分の母校を誇りに思う気持ちが伝わりとても感動しました。
「己の如く他人を愛する」というのは究極の理想論で自分には出来ないかもしれません。でも社会に出ていろんな場面で、その言葉を思い出すことで、どんな時も人への感謝の心を忘れずにいられます。母校に感謝しています」
「子供の数が減っていっていたので、いつかはこの日が来るかもとは思っていたけれど、閉校があまりにも早すぎて‥‥」
「世界では憎しみによるテロが広がる中、今改めて飯石小学校で学んだ永井隆博士の「如己愛人」「平和を」の言葉の深い意味を強く感じています。自分に出来ることを私たちがしていかなければいけないのだと思います。母校を誇りに思います。」
さまざまな思いの中で閉校式に参加されている方々の前で、23人の飯石小学校の子供たちは、これまでの感謝と未来への希望を太鼓と歌にたくし、見事な演奏と歌声を届けました。
飯石小学校の子供たちは、四月から、同市立三刀屋小学校に統合されます。三刀屋小学校でも、飯石小学校で培われた平和学習の継承に前向きに取り組んでいくそうです。飯石小学校では、永井博士の子どもが通った長崎市立山里小学校と姉妹校として交流を続けて来ましたが、受け入れる三刀屋小が山里小との交流を引き継いでいくそうです。
日頃、テレビや新聞などのニュースを聞く度に悲しくなる事も多い中、「人間とは?」「人が人らしく生きるために一番大切なものは?」「何のための教育なのか?」と感じる中で、飯石小学校の教育の中には、私たちが忘れてはいけない一番大切なものがしっかりと育まれ、希望を感じました。
飯石小学校が閉校されてしまうことは残念でなりませんが、飯石から三刀屋に、そして世界に!飯石小学校で培われてきた「如己愛人」「平和を」の精神と平和教育が広がっていくことを心より祈っています。
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