2014年08月30日

日英対訳・絵本「おりづるにのって」にたくした思い〜♪

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中国新聞(8月18日)ジュニアライターで中学2年生の岡田実優さんが、ミューズの里から発行している日英対訳絵本「おりづるにのって」を紹介してくださいました。

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この絵本は、アメリカの学校でヒロシマ・ナガサキの被爆者の体験とメッセージを伝えていた1986年からの一年間、口伝えに子供たちに話していた内容を、そのまま日本語と英語の対訳で絵本にしたものです。

「にんげんをかえせ」「ピカドン」等の原爆映画の上映行脚を行う前に、必ずみんなで一緒に折り鶴を折っていました! そして、千羽鶴を片手に上映前に子供たちにお話していたのが、広島の平和公園にある「原爆の子の像」をつくるきっかけとなった佐々木禎子さんと子供たちのお話でした。

驚いた事に、たくさんの海外の子どもたちが「原爆の子の像」のことをすでに知っていました。最初に上映行脚をスタートしたアラスカの北極圏の入り口とも言われるフェアバンクスという町の図書館を訪れた時、入り口に高校生が作った千羽鶴が飾られていてびっくりしました。

どうしてこんなにたくさんの子供たちがこのお話を知っているのですか?とたずねると、先生が言いました。

「ある時、核兵器の話をしていた時の事です。子供達が『核兵器なんてなくならないよ!だってこんなにたくさん僕たち持ってんだから!』と言ったその言葉にとてもショックを受けたんです…」

「小さな子どもたちでさえ、地球を何回も壊せる程の核兵器の存在に失望し、人間の手で作り出したこの大量破壊兵器は、もはや人間の手でなくすことはできないと思っています。そんな中で、このお話は、子供達が平和のために何か出来る!という大きな夢と希望をもたらせてくれるのです」

アラスカ・オレゴン・オハイオ・ニューヨーク・ネバダ等をまわり、約一年間280回の上映行脚を行う中で、戦争体験も英語力もない私に出来た事は、16ミリフィルムプロジェクターのスイッチを入れるだけだったかもしれません。でも、上映しながらいつも願っていました。原爆フィルムを見た子供たちが、ただショックを受けたり、恐ろしい気持ちを抱くだけでなく、ヒロシマ・ナガサキの実情をしっかりと受け止めた上で、二度と同じ苦しみを世界中の誰にもさせないために、私たちに何が出来るのか? これからの未来をつくる若者に希望をたくし、本当は忘れてしまいたい体験を語ってくださったヒロシマ・ナガサキの被爆者の皆様のメッセージを伝えたい!!そう思い願いながら……みんなで折り鶴をおり、千羽鶴と子供たちのお話をしていました。

2010年8月6日に出版された「おりづるにのって」は、その時の思いを絵本にたくして出版したものです。

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振り返ると、アメリカでヒロシマ・ナガサキを伝えた体験は、人生の原点となっています。
渡米前、戦争や原爆の体験のないものに一体何が伝えられるのだろう…と不安でいっぱいになった時、映画「アオギリにたくして」のモデルとなった沼田鈴子さんはじめたくさんの被爆者の方々が勇気づけてくださいました。

「一人でもたくさんの友達を世界につくってきてね!それが平和の第一歩につながっていくから!」「憎むべきは戦争であって人ではありません。自分と同じ苦しみを世界中の誰にもさせたくない、そのためにヒロシマ・ナガサキの実情を伝えてください!」「憎しみの連鎖を断ち切り、愛の連鎖を生み出せる人になってください!」たくさんの愛に溢れるメッセージに勇気をいただき、「伝わるだろうか…」という不安や「伝えなければ」という気負いは、「伝えたい!」という思いに変わっていきました。


▲歌「おりづるにのって」【歌:中村里美/ギター:伊藤茂利】
アメリカの学校で、千羽鶴とサダコさんのお話を伝えていた時にお話していた英語の言葉に曲をつけた歌「おりづるにのって」です〜!是非ご視聴ください〜♪

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映画「アオギリにたくして」は、来年夏に向けて日本全国行脚を行い、来年の秋からは海外上映をスタートしていきます!皆で一緒に折り鶴をおりながら、原爆の子の像のお話もさせていただきながら、これまで出会った被爆者の方々のメッセージを伝え、平和の種を蒔いていきたいと思います。

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posted by ぷらっとハッピー日記 at 14:17| 東京 ☁| CD・本・応援グッズ・楽譜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする