▲沼田さんの87歳のお誕生日の前日に、お部屋で「アオギリにたくして」を演奏させていただいた時のお写真。
今日は映画「アオギリにたくして」のモデルとなった、沼田鈴子さんの命日です。
沼田さんが亡くなられて、2年が過ぎました・・・。
沼田さんをモデルとした映画「アオギリにたくして」を昨年3月にスタートして以来、たくさんの皆様にご支援・ご協力いただき、お陰様で、2013年6月1日に無事クランクアップいたしました。
この作品にたくされた思いを伝える上で、当初撮影していた部分も途中から70%以上が撮り直しとなり、また前データーを使用する部分においてもアップを撮り足したり等、様々な修正が必要だったりと、一本の映画をまるまる撮るよりもはるかに手間のかかる作業が続く中、監督の中村柊斗さん、撮影監督の倉本和人さんはじめ、尊敬するスタッフの皆様に支えていただきながら、映画「アオギリにたくして」に命が吹き込まれていきました。
「この映画製作のプロセスそのものが、まるで被爆アオギリのお話の様で感動です!」というご出演者のお言葉に胸が熱くなりました。
映画をつくろう!と決意した時、周りの関係者の方々に相談したところ、「映画だけは絶対に止めておきなさい!」「身を滅ぼすにはまだ早い!」「この業界を知ってるの?」とさんざん言われ、周りの反対を押し切ってのスタートでした。
「映画がクランクアップできたら、それだけで成功なのよ!つまり、それほど大変なものなのよ!」と、映画関係者にも言われ、広島の親しいテレビ局の方には、「広島でさえ、原爆のドラマを作ろうとしてもスポンサーが集まらない中、映画なんてホントに大変だよぉ!」とご心配いただきながら、覚悟して臨んだ映画製作ではありましたが・・・まさに!皆様がおっしゃる通りで!!本当に大変な日々でした。
これまでの人生の中で、これほど大変な思いを味わったことは初めてです。
純粋な思いで映画に夢をたくし、チャレンジしていく中で、いろいろな困難がありました。それでも、どんな時も、前に向かって突き進む勇気を与えてくれたのは、今は亡き沼田鈴子さんの存在であり、ご支援・ご協力くださった皆様でした。
私が、沼田さんと初めてお会いしたのは、今から27年前。22才の時。
原爆映画「にんげんをかえせ」を上映しに渡米する直前に、ひと夏を広島で過ごしました。そして、沼田さんはじめたくさんの被爆者の皆様にお話を伺わせていただきました。
あの22才の時と同じ思いで、純粋に体当たりで立ち向かった今回の映画製作は、やはりあの時と同じように、普通にはない喜びと苦しみがありましたが、人間をより深く知る機会ともなり、たくさんの学びを得る機会となりました。
そして、この度の映画製作で大変お世話になった、ベテラン撮影監督の倉本和人さんより、「多分20年、30年遡って考察しても「楽しい現場ベスト1」のような気がします」とお言葉をいただき、これ以上に嬉しい言葉はなく、感無量です。
良い作品を作るために一丸となって立ち向かうみんなの姿が本当に美しく、映画の大変さと共に、映画の素晴らしさを知ることができました。
映画「アオギリにたくして」に魂を吹き込んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。
託された皆の「思い」を大切にしながら、体当たりで挑むこのチャレンジを、あたたかく見守りご指導くださった皆様に心より感謝申し上げます。
▲被爆アオギリ3世の苗を枕元に
沼田さん、あまりにも早く天国にいってしまわれて・・・残された私たちは、何をどう次の世代に語り継いでいけばいいのか・・・今も戸惑い、模索しながらではありますが、二度と同じ悲しみが繰り返されることのない様に、自分たちに出来る挑戦をこれからも続けていきたいと思います。亡くなる直前まで、「生きて、伝えなきゃ・・・」とおっしゃっていた沼田さんの言葉を思い出すと、今も涙が溢れます。
沼田さん、これからもずっと天国から見守っていてください!!
沼田さんとお約束した「めざせ!1000回ピースライブ」もがんばります!!
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