2010年11月04日

「ミューズの里」奨学生:東方国際学院の・筆焜さんの作文

ミューズの里では、
今年から毎月一回新宿御苑のレストランパペラにて、
チャリティーライブ「がんばれ!日本語学校生」を開催して参りました。

たくさんの素晴らしいアーティストの皆様や
日本語学校生を応援している皆さまにご協力をいただき、
これまでに集まったチャリティーライブの募金を、
特定非営利活動法人LSHアジア奨学会に寄付させていただきました。
ご協力くださった皆様に心より感謝申し上げます。

本年度の「ミューズの里」奨学金は
東方国際学院に通う中国からの日本語学校生の
・筆焜さん(セン ヒッコン)に
お渡しすることになりました。

先日、10月26日に池袋サンシャインシティーで開催された、
50カ国4000人が集う日本語学校の祭典の際に別室にて
LSHアジア奨学会の授与式が開催されました。
今年はミューズの里のイベントでご活躍くださった
アーティストの松岡誠様に授与式に参加していただき、
ミューズの里奨学生となった・筆焜さんに
奨学金の授与をしていただきました。

下記は、ミューズの里奨学生となった・筆焜さんの作文です。
是非ご一読くださいませ。


◎ミューズの里 奨学生
東方国際学院【・筆焜 (セン ヒッコン)(中国)】

 子供の頃から、ずっと絵を描くことに興味を持っています。大学の専門を決める時、自然に美術学科を選びました。大学で同窓と一緒に作品を作って展覧会を開いた日々の中、夢を語り合って耽ったこともあります。
 しかし、現実はそんなに簡単なことではないのは、皆も自覚していて、将来に対して不安を持っていました。入学時の説明会で、先生はズバリとこう言いました。「毎期のようにこのクラスで将来芸術家として続けて働けるのは一人のみだ。」という話に皆目が覚めるような気持ちになって気を引きしめました。
  確かに先生の言った通りです。台湾では純芸術に関する仕事は少なくて、卒業しても学んだ技術を生かすことをあきらめて、他の仕事をする人が少なくありません。このようなわけで、芸術を仕事としないで、商業美術で絵に繋がる仕事をして芸術的なことは趣味にしようと思いました。
 ずっと前から日本はイラストや挿絵などが盛んです。それに加えて、自分は日本人が何かする時、いつもまじめで少しの妥協もしないという精神を敬慕しています。それで商業美術の業界の種々の奥義を学ぶために来日しました。そして機会があれば、日本で就職するつもりです。
 「人生を最大限に楽しんで暮らしたい。」という李秀賢さんの話した言葉があります。これは良言だと思います。私にとっても絵料の高さなど物質上のものは最も重要なものではありません。一番重視するのは精神上の満足で好きな仕事をしたり、作りたい作品を作ったりできれば、たとえ経済的に豊かではなくても、心が豊かになります。しかし、芸術で食べていくことは難しいので、設計やアニメーションの美術設定などの会社に勤めたり、装丁の仕事をしたりするかたわら、休日の際に多くの作品を作って日本で個展を開くことを目指したいと思っています。芸術をライフワークとして、探求し続けるつもりです。


posted by ぷらっとハッピー日記 at 12:38| 東京 ☁| ミューズの里奨学生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする