2024年07月13日
笑顔になれない日々を超えて
ため息と一緒に息を吐くことで
ようやく少し力を抜きながらも
思考が止まってしまいそうになる日々を超えて、
笑顔が自然と溢れてくるようになってきました。
共に映画や音楽づくりをしている
ギタリストのしげ兄さんの
2度目のがん再発が告げられ
半年が過ぎました。
コロナ禍の再発後
奇跡的に画像からがんが消え
昨年ようやく広島から活動再開をした矢先でした。
二度目の再発は
想像以上にメンタルを直撃しました。
余命についてたずねるしげ兄さんに
「聞きたいですか?」
と、主治医の勝俣先生の穏やかな優しい声。
少しの沈黙の後…
「聞かなくていいです」
と、しげ兄さんに代わって私。
最後の過ごし方をどうしたいかの質問に
「猫や犬に囲まれていきたい」
と、しげ兄さん。
2017年、2021年に続き、3回目となる厳しい抗がん剤治療が現在続いています。
今回は、右胸の上にC Vポートを埋め込む手術を行い、48時間の点滴による抗がん剤治療を定期的に行いながら、これまでに経験のない様々な副作用に向き合いながらの毎日です。
厳しい手の痺れや痛みを伴う副作用もあり、制作中のドキュメンタリー映画『いのちの音色』の制作をいったんストップし、この夏の完成には間に合いませんでしたが、抗がん剤治療が終わり次第、現場に戻る予定でおります。様々な事情がたび重なり制作が遅れておりますが、しげ兄とスタッフと共に必ず完成させていく決意です。
初めてがんと告知された時、
目の前が真っ白になりながらも、絶対に治る!と信じて立ち向かいました。
コロナ禍に再発を告げられた時、
現実を受け止めきれず、言葉にならないショックを受けながら、
みんなで励まし合いながら必死に乗り越えてきました。
そして今回…
昨年から再発の疑いがあり
今年に入ってPET検査の結果
二度目の再発を告げられた時、
深い悲しみとショックが
静かにじわじわと体をおおっていきました。
もう一度、抗がん剤治療を受ける体力があるだろうか…
これ以上もう、がんばれないかもしれない…
いろんな思いが心をよぎります。
生きていく気力を取り戻すまでに、これまで以上に時間を要しました。
昨年までは、診察日にYouTubeショートで病院から病状の報告をすることが、しげ兄さんにとって前に向かう活力ともなっていましたが、今回の2度目の再発の告知を受けて、笑顔になんて到底なれずにいます。「辛い時、無理して笑う必要はないよ」と声をかけると、「そうだね」としげ兄さん。皆様にお伝えしないままでしたが、しばらく動画配信をストップさせていただいています。
時々体調の良い時には、オフィスの命くん(猫)や宝ちゃん(犬)との写真や動画をアップしながら、少しずつ笑顔が戻ってきました。
抗がん剤治療は副作用が厳しいだけに、生きていく気力さえ萎えてしまいそうになることがあります。 孤独で様々な不安がつきまとう中で、これまでご支援くださり応援してくださった皆様との心の繋がりから、どれほどの勇気と心の安らぎをいただいてきたことでしょう。
自分にもまだ出来ることがあって、誰かのために何かできることの喜び。まだまだ生きてやるべき事、果たしていきたい事があることの幸せ。本人の生きようとする強い思いに寄り添いながらサポートしていくことこそ、何より大切だと感じています。
今週は、この夏の「第三回アオギリ祭り」に向けて、抗がん剤の点滴を延期していただいたこともあり、少しずつ体調が回復し元気になってきました。昨日は、何ヶ月かぶりだったでしょうか、急にギターを手に取って弾き始めています。出なくなっていた声もしっかり聞こえるようになりました。
7月20日、21日に開催される「アオギリ祭り」を終えた翌日から、この度の5回目となる抗がん剤治療がまた始まると、しばらく辛い日々がまだ続きますが、今後もライブや上映などの状況に合わせて、主治医の勝俣先生が見守ってくださっているので、なんと心強いことでしょう。
ここしばらくの間、これまでの疲れがいっぺんに出て、不覚にも私自身が体調不良でしたが、お陰様で回復してまいりました。 階段から落ちて怪我したり、捻挫した手首も足の痛みも、いつの間にかすっかり治り、体に備わっている治癒力に驚きます。
そして今日は、オフィス犬の宝ちゃんが10才のお誕生日!日本全国でのライブや上映活動にで日々追われていた10年前、宝ちゃんが弊社ミューズの里にやって来ました。病弱で栄養失調になっていた行き場のないワンちゃんでした。せき込んだり、前足を引きずってうまく歩けなかったり、ご飯も残してばかりで、長く生きられないのではないかと心配されていましたが、みんなの愛情で今では元気いっぱい!食べることが大好きな宝ちゃん。10歳のお誕生日を無事迎えることができました。しげ兄さんも本当に嬉しそうです。
この度のしげ兄のがんの再発については、皆様にお知らせする気力さえ途絶えてしまいそうになり、弱っていくメンタルを回復させるまでに時間がかかりました。初めてクワを持ち、土に触れながら草むしりをしたり野菜作りを始めました。球のような汗と一緒にこぼれ落ちる涙を、照りつける太陽の光が乾かし、大地からエネルギーをいっぱいもらいました。オフィスのお隣の方が草むしりを手伝ってくださったり、ご近所の方が畑づくりをご指導くださったり、果物や野菜や苗を届けてくださったり、あたたかな心にふれ次へと向かう元気をたくさんいただきました。
採りたての新鮮野菜を少しでもしげ兄さんにも食べてもらおう!とみんなで頑張っています。特に抗がん剤治療は、副作用がひどくなると食べれなくなることも多いので、せっかくの治療中に体力を失ってしまう事で、全体的な寿命にも影響を及ぼすことがないようにと心配になります。栄養の大切さをつくづく感じながら、改めて命について、生きる力について考えながら、学ばせていただいています。
今朝はほんの少しですが、ミニトマトとシシトウとナスが採れました。早速洗って草むしりを手伝ってくださったお隣の方のところへ。元気になってきたしげ兄さんに届けてもらいました。「すごく喜んでくださったよぉ〜!」と、満面の笑みで帰ってきたしげ兄さん。今日はかなり調子も良くなり、顔色も良くなっています。
お陰様で、しげ兄さんとしげ兄を見守るみんなの心にも、そして私の心にも、生きる気力がよみがえってきました。
これからも
いろんなことがあると思います。
でも、きっと大丈夫!!
今日からは
「めざせ!100歳!」
を合言葉に
笑顔になれない日々を超えて
何度でも、何度でも、
あきらめずに再出発しながら
生きていきます。
皆様への感謝と共に〜🎶
Sees of Peace!