その前身となるクロスカルチャープラザとして活動してきた10年間を合わせると約22年間、休むことなくひたすら全力疾走の毎日でした。
会社をつくった時、3つのことを心に誓いました。そして、辛く苦しい時はいつも、この3つが出来ているかを自分に問いかけてきました。
1)本当に好きな事を 2)心から信頼する仲間と共に 3)利益を生み出し、国際社会の平和に貢献できる媒体を生み出し続けていく。
この理想と志は全く変わることなく、ぶれることはありません。
もちろん、事業をしていく中では、人間不信に陥ることや、傷つくこともたくさんありました。そもそも22年前に独立したきっかけも、深い絶望感からでした。上手くいけばみんなの手柄、失敗すればトップの責任となる社長の立場は大変なことの連続ですが、本当にやりたい事をやる上ではチャレンジする意義は大いにあると思います。
集ってくれたみんなの良さを生かして、関わったみんなが良くなっていくことを願いながら、ひたすら頑張っても、もちろん上手くいくことばかりではありません。立場やそれまで積み重ねてきた経験によって、見えている景色も人それぞれです。「本当はわからない」というクールな感覚と、人にも自分の頭にも振り回されない冷静さを失わず、心の目で見て、しっかりと見極めていく判断力が日々試されます。今日まで来る事が出来たのは、ひとえに至らない私をずっと支え続けてたスタッフや仲間達のお陰です。
そして(3)の「国際社会の平和への貢献」については、少し言葉が大きすぎて、そんな大層なことは何も出来ていませんが、心豊かな社会が広がっていくことを願いながら、映画・音楽・出版・イベント等の媒体づくりを通して、平和の種を蒔く事業を目指してきました。その志はこれからも変わることなく貫き続けていきます。「利益を生み出す」という部分についてのみ、創業以来ずっと厳しい自転車操業を続ける弊社にとって、これからの一番の課題でもあります。
人やお金・社会情勢の問題などなど…事業を形にしていく上では、様々な問題はつきものですが、今回突然やってきた新型コロナウィルスには、いろんな意味でショックを受けながらも、新たな視点をもって視野をより深めていくきっかけともなりました。人が集うことで成り立つ弊社の事業にとって、今は致命的な状況です。まだ映画の銀行借入金返済が完了する前の段階で、毎月必死な日々の中にありますが、なかなか収束の見通しがつきそうもないこれからに向けて準備中です。
いずれは必ず収束に向かうとはいえ、しばらくはこの大変な状況が続きます。会社にとっても、これまでの様々な危機の中でも最大級の一つだと思いますが、こんな時だからこそ冷静に、基本的な日常生活を大切にしながら、よく寝て、よく食べて、感染防止に努めたいと思います。
地球や宇宙の大きな歴史の中で人間の存在を改めて見つめ直す時、戦争・環境問題・感染症等さまざまな問題の中で起きている人間のあり方を今一度よく考え感じながら、地球と人類の未来に思いを馳せて、与えられた限りある時間をどう生きるべきかを自分なりに深く考える時にしたいと思います。
10年前の2010年秋、広島平和記念公園の被爆アオギリの種から育った2世の苗を米国ワシントンの財団法人カーネギー地球物理学研究所のお庭に植樹させていただき、初めての海外ライブを企画してくださった地球科学者の山中高光先生のお言葉が思い出されます。
「人類は仲良くしないといけないね。隣近所と喧嘩などしている場合ではない。地球の長い歴史の中で、たまたま今この時期に私たちホモサピエンスは生きている。今あるこの自然とマッチしているからこそ、ホモサピエンスは生きていられる。でも、それを壊すのは簡単。自然から享受しているものへの感謝も忘れ、自らそれを壊していけば、人類は滅亡する」
火星と木星の間の小惑星帯から軌道を外れて落ちてきた隕石を手に、語ってくださった山中先生のお言葉が心にしみました。
今回の新型コロナウィルスもさることながら、このまま地球温暖化が進めば、自然災害だけではなく、その他の感染症のリスクも高まっていく中で、より一層深く感じたことは、本当に戦争など起こしている場合ではないということ。
人類の負のシンボルである核兵器の存在に象徴される考え方に終止符をうち、人間らしい心が大切にされる時代が訪れることを祈りながら、自分に出来ることは何かを考えてチャレンジし続けていこうと思います。
そして、小さな小さな我が社の行方を思う時、自然と底力と気力が湧き上がる思いです。
この度の新型コロナウィルス感染症でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。今も苦しんでおられる方々が1日も早く回復されますように。全世界が共に協力し合って、新型コロナウィルス感染症が収束していくことを心より祈っています。
今日は寒くて風の強い日でしたが、ミューズの里の桜ももうすぐ満開!
弊社の保護犬TAKARAプロデューサーも元気いっぱいです。
皆様に感謝を込めて。