2019年05月31日

カリタス「愛」という名の学園

「カリタス」とは、ギリシャ語「アガペー」のラテン語訳で「人類愛」を意味する。


戦後の荒廃した日本に学校をつくり、人々の心に愛の種を実らせようと、1953年にケベック・カリタス修道女会から3人のシスターがカナダ大陸を鉄道で横断し、ヴァンクーヴァーから半月以上かけて太平洋を渡り、貨物船に揺られながら横浜に到着した。


その中の一人であったシスターリタ・デシャエンヌは、私がカリタス学園で中学・高校・短大の8年間を過ごした頃の初代理事長だった。


カナダのケベック・カリタス修道女会の母体は、普遍的愛の母と呼ばれたマルグリット・デュービルが、民族や国籍、宗教や文化の壁を越えて、貧しく恵まれない人々への救いのために創設した修道会である。マルグリットは、家庭を顧みぬ夫や様々な苦悩、そして生まれる子が3人も亡くなるという悲しみの中で、神と出会ったという。


三人のシスターの来日から7年たった1960年、学校法人カリタス学園が設立された。


体中から希望に満ち溢れた情熱の輝きを放つリタ・デシャエンヌ先生の優しくて柔らかな笑顔は、今も鮮やかに脳裏に焼きついている。

勉強嫌いでやる気のない生徒だった私でも、廊下でリタ先生とすれ違うと、なぜか嬉しくなり、思わず足を止めて自然と笑顔で会釈せずにはいられない。クリスチャンではない私のような存在にとっても、カリタスで過ごした8年間の中で培われた精神は心の中に生き続けている。


最も小さな人々を尊重し、分け隔てなく普遍的な愛をもって人に尽くし、感謝と喜びと希望の中に生きる心を育てるカリタスの精神。


未熟な私には、未だに出来ていないことばかりではあるが、社会的孤立化や寛容さが失われている今の社会の中で、心の闇をこれ以上広げないために、改めて大切な教えであると感じている。


2020年に創立60周年を迎えるカリタス学園にとって、あまりに辛く悲しく耐え難いこの度の事件に、改めて戦後の焼け野原と化した日本に、試練を乗り越えやって来たシスターリタ・デェシャエンヌと二人のシスターの志を思う。


この夏、戦後74年を迎える日本。先進国にまで上り詰め、物質的には確かに豊かになった。しかし、心の貧しさを感じてしまう事件が後を絶たない。私たちは何か大切なものを失っていないか。今一度自分の心を見つめながら、この様な事件が二度と起きないことを願いながら、カリタスの心を大切に生きていきたいと思う。


最後になりましたが、この度の登戸での事件で亡くなられたカリタスの小学生と保護者のお父様のご冥福を心より深くお祈り申し上げます。怪我をされた方々が1日も早く回復されますように。ご家族の方々、周囲の方々の心の傷が少しでも癒されますように、心より祈っています。

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posted by ぷらっとハッピー日記 at 09:38| 東京 ☁| ぷらっと日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする