2020年04月03日

今、私たち一人一人の行動が試される中で…。


10年前、核なき世界の実現に向けてオバマ前米国大統領がプラハで演説した翌年の2010年秋に、時宜を得た企画として「いのちの音色」ライブと被爆アオギリ2世植樹が行われることになり、米国ワシントンの(財)カーネギー地球物理学研究所を訪れました。コーディネイトしてくださった地球科学者の山中高光先生が人類の未来を考える上で感染症のパンデミックを一番の懸念事項としてあげられ、その時のお話にとても衝撃を受けました。


「人類は、戦争なんてしてる場合じゃないんだよ」とおっしゃりながら、したたかに強くなっていくウィルスの存在や、地球の歴史の中における自然の一部である人間の存在について語ってくださいました。


この度の新型コロナウィルス感染症について、当初、中国・武漢の状況が伝えられる中、その時のお話が思い起こされました。けれど、グローバル化の中で予測されてきたパンデミックに対して、きっと自分が知らないだけで、ある程度の準備は整っているのだろうと無責任に思っていました。しかし、そうでははい現実が日々報道される中、少しずつ強い危機感を感じ始めました。


数週間? 数ヶ月? 半年? 1年? 2年?


事業を運営する上で、収束と収束後の世界がどうなっていくかの見通しが立たなければ対策がうてません。初プロデュース映画の製作の時からお世話になっている金融機関の担当者の方と2月にお話した際、「今回については、皆さん本当に分からずに困っておられます。こんな状況は、これまで初めてのことです」と戸惑いを隠さず話しておられました。


普通に考えれば、世界中でパンデミックが起きている中、オリンピック開催は無理と予測できますが、ギリギリまでIOCや主催国である日本が、この夏の開催もあると主張する不自然に思える発言も続く中で、そう言わざるをえない状況をおもんばかりながらも、飜弄された方々もおられただろうし、またそれによって、世界中で猛威を振う新型コロナウィルス感染症の脅威が刻々と日本に迫り来る中で、なぜか日本だけは大丈夫と思っているかのような全体的な雰囲気を感じ、危機感のない状況がずっと続いていたように思います。


若者たちの危機感のなさが問題視されていますが、これまでの伝える側のあり方や伝え方にも問題を感じてきました。弊社であっても、今後の対応をしていく上で、様々な媒体や海外の情報を収集しながら状況を見極めて判断し、自ら考えて進むしかない状況が続きました。そして、事態の深刻さを感じる中で、見通しもつかない中で、2月25日より自主企画によるすべての上映・ライブ・イベント等の自粛を決断しました。


これまで、たった一人のお客様だった時も、どんなに辛く苦しい時も、ロングランで継続し続けてきたライブや上映会を自ら中止したのは、今回がはじめてです。お客様やスタッフ・関係者にご高齢者が多いことから、基礎疾患を持っている方々も多く、みんなの命を最優先に考えた時、いったんストップする決断しかありませんでした。


そして、会社の命を繋ぐために、どうすべきかと途方にくれる中で……


そんな時、いつもライブに花束を贈ってくださる広島の柏原省治様から、心温まるお言葉やご支援をいただき、みんなの心が沈んでいた中で救われる思いでした。大分の衣笠邦彦様が自ら畑を耕して無農薬でつくった玄米などの支援物資を送ってくださり、堀社長より堀商事のお漬物や佃煮、ほうとう、生そば等様を差し入れいただきました。スタッフ一同この状況に立ち向かっていく勇気と力をいただきました。これまでずっと見守りご支援くださった立花ご夫妻はじめ、皆様からの心のこもったのメールやお手紙にどれほど励まされてきたことでしょう。


お陰様でミューズの里は、皆様にご支援いただき、何とか3月末を無事乗り越えることができました。皆様のお陰です。本当にありがとうございました。心より深く感謝申し上げます。


この先、新型ウィルスの収束までの長い道のりを、どう乗り越えていくのかという大きな不安はたくさんあります。しかし、今一番大切なこと、それは、みんなの命です。


パンデミックが起きている中、日本だけが例外ではありえません。世代、職業、性別、国籍などの様々な違いを超えて、誰もが感染する可能性のある新型ウィルスに今、私たち一人一人の行動が試されています。


現実を直視せず楽観的に振る舞うことで、良かれと思ってしていることが、みんなの命を危険にさらしてしまうことにもなりかねません。人から人に感染させないためには、距離をとる思いやりが必要とされます。恐れによるパニックや買い占め、距離を取らず行列をなすことは、より感染を広めてしまう原因の一つともなりえます。


誰かを置き去りにしたり、差別や偏見を深める排他的な行為は、何の解決にもならず、ウィルスの拡散を広めてしまうだけです。一人一人が他人事でなく自分事として受け止め、協力し合い、助け合い、励まし合いながら、すべての人がみんなで力を合わせて乗り越えない限り、この感染を防ぐことはできません。


大切な人たちの命を守り、大切な人たちが大切に思っている人たちの命を守るため、そして日本中・世界中のみんなの命を守るために、感染拡大の防止に向けて、ウィルス対策への一人一人の自覚が必要とされています。



新型コロナウィルスで苦しんでおられる方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。そして治療の最前線で戦っておられるお医師様や看護師、介護師の皆様に心より深く感謝申し上げます。皆様の健康と一日も早い収束を祈りながら、私たちもできる限りの感染拡大防止に努め、この苦難を乗り越えて会社を存続させていけるよう全力を尽くします。


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オフィス近くに広がる風景を眺めながら…。

世界は、目に見えないウィルスと共に戦うこれまでにない経験を通して、新たなパラダイムにシフトしていく時を迎えているのかもしれません。「アオギリ」や「かけはし」に託した普遍の思いとメッセージを、今一度自分の心の中で深く感じながら、これまで歩んできた道をさらに邁進し、挑んでいく覚悟です。
posted by ぷらっとハッピー日記 at 10:41| 東京 ☀| 映画『アオギリにたくして』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする